2010年から始めた地域活動が早くも14年目を迎えました。振り返ると20代は全てローカル活動に捧げていました。北海道から沖縄まで、地域の困りごとを訪ねながら、泥臭く小さなプロジェクトを丁寧に形にすることを心がけ、現場主義で活動しています。
キャリアスタートは、2010年に社会起業・地方創生をテーマにした学生団体エピテックの創設代表を務めることでした。就活のタイミングで東日本大震災を経験し、都市集中型の社会の限界を感じたため、大学卒業後、さらなる見解を広げるために大学院(MBA)へ進学しました。大学院時代は、山形県朝日町にて、自治体Webの広報戦略及びレイアウト考案の研究を行いました。市町村から大学を経ずに学生個人に研究予算がつくという前例のない研究を実践し、大学院を修了(MBA取得)後、株式会社エピテックを創業しました。
社会人になり、より実践的なローカル活動の必要性を感じ、神奈川県横浜市と茨城県筑西市の多拠点生活をはじめ、農村地域のコミュニティ創造を実践しました。関係人口と呼ばれる先駆けモデルとも呼べる実践活動行いました。具体的には、茨城県筑西市にて地域のキーパーソンを効率よく探し当てるため、60種類以上の地元食材を活用した薬膳カレー会や給食室の統合を機に廃棄予定の大鍋を有効活用した大鍋会などを開催しました。この活動の中で感じたことは、予算をかけたパフォーマンスではなく、多くの笑顔を生み出すというシンプルなことが大切だということです。この気づきを得てから、地域住民を巻き込みながら、地域交流を目的とした「ご当地バレーボール大会」の開催に力を注ぎました。この大会は、多くの地域住民の協力を集めると同時にわかりやすい企画のため、全国から若者が集うきっかけになりました。茨城県筑西市では、活動を通して、のべ約2000人(2022年時点)を超える人を受け入れることに成功しました。このようなコミュニティづくりが全国から評価され、ご当地バレーボール大会は、全国連系企画として姉妹大会が7か所開催されるほど拡大しました。
ご当地バレーボール大会の運営を行いながら、地域おこし協力隊導入サポート・ゲストハウスコンセプト設計・DMO立ち上げサポートなどの業務を重ねました。
新型コロナウイルスの影響を受け、集客イベントが困難な時期にと突入ました。新型コロナウイルスの報道が出始めた2020年年始にこの年の「ご当地バレーボール大会」の開催が困難になることを予測し、新しいコンテンツを考案しました。具体的には、活動ができなくなってしまう大学生向けの「オンライン勉強会」や女子大生が地域をインタビューする「Social Design Girls 17」のプロデュースなどです。
新型コロナウイルスの流行具合を見て、少しずつ地方部と都心部の交流を促すコミュニティパートナーシップを結ぶ活動を行っています。具体的には、神奈川県横浜市都筑区の八百屋で開催されるマルシェを通して、コミュニティづくりを行っています。このマルシェには、「マルコミ(マルシェコミュニティ)応援隊」と題して、大学生の地域活動への参加機会の場づくりも行っています。
現在は、サーキュラーエコノミーの先駆的事例を構築するため、「ローカルプロジェクトフレームワーク」というヒト・モノ・コトそれぞれの目線からの整理手法を用いたプロジェクト立案及びサポートを行っています。このプロジェクトは、自ら執筆した「コレクティブ・インパクトは日本の地域コミュニティ創造に導入できるのか」という査読論文を基にスタンフォード大学が提唱した「コレクティブ・インパクト」の考え方を日本のコミュニティ創造に活かす実践を行っています。また、2023年3月、株式会社京都丹波アグリサービスの取締役に就任しました。
【受賞歴】
・地方創生☆政策アイディアコンテスト 2016
全国第1次審査 四国 大学生以上一般の部 チーム入賞 「地域経済を6 次産業で元気にする。」
【学会発表】
[日本マーケティング学会]
〇ポスター発表
・自治体Web におけるマーケティング戦略と可能性、藤川遼介・松村茂・佐藤恒平(日
本マーケティング学会 マーケティングカンファレンス2013(於早稲田大学早稲田キャ
ンパス))
・地域プレーヤー創出に向けたマーケティングモデル−次世代を見据えた地域創生の
在り方−、藤川遼介・佐藤暁彦・松冨瑞樹(日本マーケティング学会 マーケティングカ
ンファレンス2014(於早稲田大学早稲田キャンパス))
・地方分散型社会を見据えた地域コーディネート、藤川遼介・松冨瑞樹(日本マーケテ
ィング学会 マーケティングカンファレンス2015(於早稲田大学早稲田キャンパス))
・地域現場と地方創生活動実践者のマネジメント管理に関する考察-都心部日帰り圏
内の地域を中心とした広域連携の可能性-、藤川遼介(日本マーケティング学会 マー
ケティングカンファレンス2016(於早稲田大学早稲田キャンパス))
・地域プロジェクトが生み出すコミュニティシフト-地縁とご縁を結ぶ機会づくり-、藤川
遼介・中谷翔(日本マーケティング学会 マーケティングカンファレンス2017(於早稲田
大学早稲田キャンパス))
・ファンづくり型地域振興モデルの可能性 - アイドルグループ坂道シリーズの戦略モデルから学ぶ地域アクターズプロデューサーの役割 -、藤川遼介(日本マーケティング学会 マーケティングカンファレンス2018(於早稲田大学早稲田))
・空き家活用から見たSDGsと2030年の社会 -コミュニティ創造とファンマーケティングの実践考察 -、藤川遼介・横山知由(日本マーケティング学会 マーケティングカンファレンス2019(於法政大学市ヶ谷キャンパス))
・テレワークの歴史から読み解く次世代の働き方 - COVID-19(新型コロナウイルス)と向き合う遊び方改革の実践考察 -、藤川遼介・水沼佑太(日本マーケティング学会 マーケティングカンファレンス2020(於法政大学市ヶ谷キャンパス、オンライン))
・コレクティブインパクトに基づく地域コミュニティ創造の考察 ― Social Design Girls 17のプロデュースを通して見た地域の覚悟 ―、藤川遼介(日本マーケティング学会 マーケティングカンファレンス2021(於オンライン))
・デジタル田園都市国家構想に向けた地域コミュニティの考察 ― 地方創生“新時代”のピースを担うコミュニティパートナーシップ ―、藤川遼介(日本マーケティング学会 マーケティングカンファレンス2022(於法政大学市ヶ谷キャンパス))
・地域資源を有効活用したモノづくり産業に関する考察 - 天然素材100%貝殻焼成パウダー水溶液「SeaFect」の普及戦略 -、藤川遼介・徳田浩一・村野遥(日本マーケティング学会 マーケティングカンファレンス2023(於法政大学市ヶ谷キャンパス))
[地域デザイン学会]
〇査読研究ノート
・「農村地域住民と都会の若者を地域アクターとする地域デザインの共創 -地域アクターズプロデューサーの役割に焦点を当てて-」、藤川遼介・稲泉博己・大室健治、
『地域デザイン』(第12 号 209 頁-227 頁)
〇口頭発表
・アクターズネットワークデザインにおける 地域アクターズプロデューサーの機能、藤川遼介 ・稲泉博己・大室健治((一社)地域デザイン学会 第7回全国大会(於専修大学神田キャンパス))
[社会起業研究 相模女子大学大学院 社会起業研究科]
〇査読論文
・
「コレクティブ・インパクトは日本の地域コミュニティ創造に導入できるのか」、藤川遼介、『社会起業研究』(第3巻 37 頁-58 頁)
・
「サーキュラーエコノミー実現に向けたローカルプロジェクトフレームワークの考察 -「SeaFect」を題材に考える日本のモノづくり技術の可能性-」、藤川遼介、『社会起業研究』(第4巻 19 頁-39 頁)